下川町_移住者インタビューBOOK
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吹雪の朝。五味温泉の裏にある「体験の森」で、自作の雪板を使って仲間と滑ると聞いて集合場所に向かった。この天候で開催できるのだろうか。そんな不安を抱きながら現地に着くと、ピカピカの笑顔で準備をする大人が約10名。「ゲレンデとは違うから、お手軽に遊べるでしょ」。雪板に乗って滑るだけなので、初心者でも簡単。みんな次々に滑り出しては転び、大笑いする声が静かな雪景色に消えていく。へやってきた小川鎌作さん。今となっては、「もうここが自分の居場所」。移住者というよりも町民として、新しく来た人を迎え入れる側になっている。折を見てはみんなと遊ぶのは、「仲間が増えてわいわいやったら楽しいしさ!」というシ約30年前、山で仕事がしたいと下川町ンプルな理由から。 「みんな」でなくても、小川さんは楽しむことのプロだ。飼っているハスキー犬と犬ぞりをしたり、バックカントリーやスノースクーターも。「雪がないとできない遊びばっかりだから」と、家でジッとしている日は一日もない。「もったいない!って思っちゃう」。どの季節も好きだけど、冬は遊びの幅がひと際広がる。それでもやっぱり「寒さ」が移住のハー    るんだ」と小川さん。ここで生きていくドルになることも。「それが活力に変わという決意の前に、容赦なく立ちはだかる自然。誰より楽しんでいる小川さんにも、そう感じられる冬があったことだろう。けれど自分の意思で、冬の厳しさを楽しさに変えてきた。その姿は、小川さんの背中を通してみんなに伝わっている。PLAYNAMEFROMJOB写真上/板の製材から自作した雪板。一つ作るのに一週間はかかるという。写真下/仲間から、雪板を販売すればいいのに、と言われるも、「忙しくて自分が遊べなくなるからやらない!」とキッパリ。冬の厳しさも楽しさに変えられるから

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