下川町_移住者インタビューBOOK
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―生活の中の「今の暮らし、しっくりこないな」という違和感は、時折心の片隅に一筋の煙のように立ち上がってきます。けれど、多くの人は見てみぬふりをしてしまうのではないでしょうか。札幌出身の藤原さんは、「なんか違うな」という一筋の煙を見逃さず、下川町へ移住してきました。どんな違和感を持ち移住したのか、その煙は下川へ来て消えたのか、いまの暮らしぶりを伺いました。大学を卒業してから、札幌で公務員として働いていました。残業も多くて、家に帰るのはいつも深夜で。休日も、よく職場へ行って仕事をしていました。働き始めてしばらくして、上司から「淡々とやればいいから」と言われたことがありました。「わかりました」と返事をしたものの、虚しさのようなものを感じました。日々の時間を費やして取り組んでいるこの仕事は、本当に誰か困っている人の期待に応えるものなんだろうか。自分がやりたいことなんだろうか。そこから、道内外を問わず4年ほどかけて転職先を探しました。NPO法人「森の生活」の求人をウェブで見つけて。さっそく問い合わせて、まずは「みくわの日」という、「森の生活」と町民有志が月に一回開催している森の遊びイベントに参加しました。同じタイミングで、代表の麻生さんが町内を案内してくれて。仕事を知るためにもインターンの制度などがあるのか尋ねたら「募集はかけていないけど2月のアイスキャンドルミュージアムで森の焚き火バーをやるから、もしよかったら手伝いに来てください」と提案してくれました。最初に下川町に来たときに、町民同士の月1の交流会「タノシモカフェ」にも参加しました。そのときに「森の生活」の職員以外の人とも知り合えて「早くおいでよ。『森の生活』以外にも仕事があるよ」と言われました(笑)。下見に行く前は、村八分のような雰囲気だったらどうしようかと不安でしたが、ここなら話しやすい人も多そうだし、単身で移住しても大丈夫だなって思えました。 「森の生活」に入ってからは、幼小中高一自分の気持ちに正直に自分らしい暮らしを目指して     PROFILE藤原佑輔さん 35歳 札幌出身 2017年移住

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