– STORY 02 –
ここでなら農家になれる
農家さんになりたいなとは、なんとなく思ってた。本当になれるのかな、なれるとしたらいつかな、って。下川に移住して来て、子どもを預けて仕事をする中である農家さんと知り合う機会があったの。その人は、限られた道具や技術のなか、知恵や工夫をプラスしていろんな場面に対処しながら農業をやっていて、私の農家に対するハードルを下げてくれた。そのときふと「下川だったら、自分のやりたいように農業ができるのるかも」って思った。だから、ずっとやりたかった農業を思い切って始めてみることにしたの。
3、4年前から町内の方の土地の一部を借りることができて、自分で野菜づくりを始めてる。自分の畑ができたから、農家さんのお手伝いの仕事から学んだことを実験できるのが、楽しくてしかたなくって。子育ても仕事も畑も、全部完璧なんて無理だって、いい意味で諦めてるから、逆に「いま目の前でやっていること」に集中できている気がする。
子どもたちが農業に興味があるかどうかは……どっちでもいいかな(笑)。子どもには子どもの世界があって私は私のやりたいことをやる!そんな気持ち。
奥崎 裕子 (2児の母 息子15歳・12歳)