【北海道下川町で10代の居場所づくりに取り組む地域おこし協力隊を募集!(4/24・25説明会開催)】

2024年4月22日

北海道下川町


北海道の中央部に位置する北海道下川町。町面積の9割を占める森林を活かし、自然との共生をはかる「SDGs未来都市」🌳としても有名なこの町で、10代のための居場所を立ち上げるプロジェクトが動き出そうとしています。😊 人口3,000人あまりの小さなまち・下川町に、なぜいま10代の居場所が必要なのか。居場所づくりに向けた動きを進めているお二人へのインタビューを通して、その想いをお伝えします。😊✨

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▲ お話を伺った和田さん(右)、本間さん(左)

【下川町で10代の居場所づくりに取り組む地域おこし協力隊を募集!】下川町では10代の居場所の立ち上げ・運営を担うリーダーを募集しています。立ち上げ・運営にあたっては、全国の10代の居場所づくりを支援する認定NPO法人カタリバも活動をサポートします。✨

また、本募集についてのオンライン説明会を下記の通り実施します。


日時:
① 2024/4/24(水)12:00〜13:00(申込締め切り:2024/4/22(月)中)
② 2024/4/25(木)19:30〜20:30(申込締め切り:2024/4/23(火)中)

参加方法:
オンライン (zoomウェビナーを使用します。お申込みされた方に、後日、参加URLをお送りします)

私たちが北海道・下川町に関わるワケ



下川町役場に勤める和田健太郎さん(以下、和田さん)と、同町の元地域おこし協力隊であり現在は地域学校協働コーディネーターを務める本間莉恵さん
(以下、本間さん)は、教育を通したまちづくりに関わってきました。


Q―お二人が下川町に関わり始めたきっかけを教えてください―



和田さん:私は下川町の出身です。中学2年生のときに旭川に転校しましたが、下川町が私の故郷だと思っています。
学生の頃は恩師の勧めもあって高校教員になるための勉強をしていたのですが、新卒である自分が教員として役に立つかどうかはまったく自信がなくて。
悩んでいたタイミングで見たのが平成の大合併のニュースだったのですが、それを見て「下川町がなくなるのは嫌だ」という想いが湧きあがってきたんですよね。
なぜか役場職員であれば自分も役に立てる!という根拠のない自信もあり、ちょうど下川町が職員を募集していたこともあって、この道を選びました。

本間さん:私は幼少時代を東北で過ごしてきました。
大学時代を過ごした新潟でNPOという働き方に出会い、5年ほど中間支援の経験をした後に、仲間と共に教育系のNPOを起業して7年ほど活動しました。
新潟というまちも魅力的ではあったのですが、もう「少し小さなまちで地域に根ざした教育をやってみたい!という想いがあって、場所を探していたところ、知り合いの方から紹介していただいたのが下川町でした。
実際に足を運んで町の方々の話を伺ったときに、行政は町づくりを頑張ってきているし、想いのある人もたくさんいるけれど、それぞれがうまくつながっていないという感覚を覚えたんです。
自分が今までやってきたことがここでなら活かせそうだと思って、それでこの町に来ました。

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▲ 地域共育ミーティングにて、ビジョンの説明をする和田さん

Q―下川町はどんなまちですか?―



和田さん:林業のほか、以前は鉱山もあって、最盛期(1960年頃)には1万5,000人の人口を誇った資源の町でした。
ただ、1970年代頃からは輸出入の自由化や環境規制の強化もあって主要産業が縮小し、人口が急激に減少していったんですね。
このままではまずいということで、経済・環境・社会という3つの柱を掲げた町づくりが進んでいきました。
試行錯誤のなかで生まれたのが、今にも残る産業クラスターの考え方や木質バイオマスといった取り組みだったんです。
こういった歴史的な経緯もあって、下川町は挑戦する人に寛容な町だと感じています。

本間さん:私のような移住者に対する寛容度も高いですし、人と人との関係性も近いですよね。
私は休みの日に町内でお茶や着付け、編み物などを楽しんでいるのですが、ちゃんとした教室というよりも、今日集まろうかと声をかけあう中で自然と生まれる場だったりして。
町の人とは「昨日あそこにいたよね」みたいな話から会話が始まったりします。

和田さん:そうですね。天然のコンパクトシティになっているだけあって、徒歩圏内に役場や学校などの機能やさまざまな施設もまとまっています。
病院、スーパー、飲食店、美容院、プールやスキー場・ジムなど、小さな町ではありますが、生活に必要な施設などは一通りあります。
私は一時期ボードゲームにハマっていたのですが、実はボードゲーム屋さんもあったりして。
個人的にあったら嬉しいなと思っていたのは中華料理屋さんくらいだったのですが、それもこの前キャリア教育の授業で、ある中学生が「中華料理屋をつくりたい」と発表をしていて、「おお!」と思いました(笑)
本間さん:少し足りないものもあるかもしれませんが、みんなが楽しく暮らすために力を出し合って「自分たちらしいサイズ」で暮らしている感じですね。





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▲ 下川商業高等学校での授業にて高校生に語りかける本間さん



〜下川町の子どもと地域をつなぐ「地域共育ビジョン」




そんなお二人は下川町の総合計画から生まれた「地域共育ビジョン」を元に、教育を通した町づくりに取り組んでいる真っ最中です。


Q教育に関連したまちの動きを教えてください




和田さん:下川町の総合計画には「2030年における下川町のありたい姿」が掲げられています。
当初は6つのゴールだったのですが、町民で構成される当時の委員からの意見を踏まえて「子どもたちの笑顔と未来世代の幸せを育むまち」というゴールが7つ目に追加されたんです。
それらのゴールに対するパブリックコメントのうち30%は「子どもたちの笑顔と未来世代の幸せを育むまち」に関する意見だったこともあって、町民の関心が高いことは明らかでした。
本間さん:私は地域おこし協力隊として、その7つ目のゴールを具現化するミッションを担いました。
まずは家庭、学校、地域から16名の参加者を募って、ゴールに対する具体的なビジョンを策定することから始めました。
そこでできたのが「子どものわくわくする好奇心と挑戦を育む地域」や「子どもたちがほっとする居場所がたくさんある地域」などを掲げた「地域共育ビジョン」です。
最近はビジョンに対する認知も進んできていて、2月に開催した地域共育フォーラムには町の人だけで80人以上も集まりました。

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▲ 町の中心地は約1km四方にぎゅっとまとまる



教育フォーラム ▲ 2024年2月に開催された地域共育フォーラムの様子

教育フォーラムj ▲ 2024年2月に開催された地域共育フォーラムの様子


Q―そういった中で10代の居場所の構想もあがってきたのでしょうか?



本間さん:そうですね。
既に2回ほど10代の居場所づくりを実験的に行っていて、回を重ねるごとにその場を楽しみにしてくれている10代も増えています。
イベントには私以外にも大学生が参加しているのですが、ただただお兄さん・お姉さんに会いたくてやってきたような子たちもいました。
和田さん:これからの時代は、答えのない課題を見つけて、人と協力しながら考えていく力が必要だと思います。
そして、そのために必要な教育のすべてを学校で行うことが難しいのは明らかです。
下川町には面白い大人がたくさんいるので、そういった地域の人にも子どもたちをつなげたいのですが、地域との交流機会も中高生になると減ってしまう傾向があります。
これまでは部活動がそういった役割を担ってきた部分もあると思うのですが、教員不足や働き方改革のさなかでそれも難しくなっていて。
学校ではやりきれないことが増えているからこそ、10代の居場所機能が必要だと思います。

本間さん:小さな町なので、自分が就きたい仕事に近いことをしている人がなかなか周りにいないケースも多いと思います。子どもたちが自分の可能性を広げるためにも「出会い」と「挑戦」がある環境をつくりたいと感じています。

〜「10代が主役」の居場所を目指して



今回下川町で立ち上げを目指すのは中高生のための家でも学校でもない第3の居場所(サードプレイス)です。下川町では現在、その立ち上げ・運営を担うリーダー(地域おこし協力隊)の募集を行っています。

――新メンバーの方とどんな居場所をつくりたいですか?
本間さん:大前提として「こういう居場所をつくらなければならない」ということはないです。基本的に新メンバーの方のやりたい!を最大限に活かしていきたいと思っているので。ただ、いつでも誰でも気軽に立ち寄れるような場所にはなってほしいと思います。
和田さん:個人的にはプロセスから子どもたちと一緒につくることを大事にしたいですね。中高生のための居場所だからこそ、中高生の主体性が置き去りになるようなことにはなってほしくないと思うので。

教育フォーラム▲ 2024年2月アイスキャンドルフェスティバルにて、来場者の写真撮影を行う中学生スタッフ。シャボン玉販売やゆるキャラとの撮影ブースも担当した

教育フォーラムj▲ 2022年9月に恵林館で開催した10代向けスペース「COCOLABO」の様子


Q―こんな方と一緒に働きたい!という理想はありますか?



本間さん:今の和田さんの話も踏まえれば、自分のやりたいことや得意なことから子どもたちとの接点をつくっていただきつつ、何よりも子どもたちの気持ちに寄り添える方にきていただけたら嬉しいなと思います。

和田さん:あとは自ら動いていける方でしょうか。
いろいろなものが不足する町ですが、能動的に行動を起こすことで協力してくれる方はたくさんいますし、さまざまなキャリアを持って挑戦してきた方も多いので、そういった方々のコーディネートやコラボレーションにもチャレンジいただきたいと感じています。

本間さん:地域の人との関係性の近さは、本当にこの町の良さだと思います。
逆に言えば、他者と関係性が近すぎるのが苦手だという方にはあまりお勧めできないかもしれません。



Q―最後に、採用への応募を検討いただいている方に向けて、一言お願いします!




周囲の協力を得ながら、正解のないことに自分なりの解を表現できるのがこの仕事の面白さだと思います。
下川町にとどまらず、町外や道外をも超えて、全国に発信できることを試行したいと思っているので、是非一緒に取り組んでいただけたら嬉しいです。

和田さん:町には共感して協力してくれる人たちが大勢いるので、確実にやりがいのある仕事だと思います。
本気で教育・まちづくりに取り組んで、この機会をキャリアのステップアップにつなげたいという方はぜひご応募ください!

下川町のきょういく〜その始まりと町の人びと。(和田さんインタビュー)


子どもと地域・学校をつなぐ、下川町の「共育」をミッションに。(本間さんインタビュー)

下川町のきょういく〜教育コーディネーターの仕事(本間さんインタビュー)


問い合わせ先

下川町教育委員会生涯学習グループ 担当:和田、本間
mail:s-syougai@town.shimokawa.hokkaido.jp

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